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【鹿屋まちなかタイムリープvol.1】鹿屋のまちなかを象が闊歩!?老舗「とおや百貨店」が見たこのまちの100年

鹿屋の人にはお馴染みの「とおや百貨店」。お店を利用したり足を踏み入れたりしたことがなくとも、寿方面から飲み屋街へ向かう坂道を下りきったところにあるアノ建物は、鹿屋市民ならきっと見覚えがあるはず。この地で創業してなんと今年でマルっと100年!ずっと変わらず地域に根ざす老舗百貨店の秘蔵アルバムを覗いてみましょう。

 

着物だけじゃない!便利な日用雑貨やファンシーなキャラクターグッズまで

5階建てのビルの1階には、艶やかな振袖や七五三用の着物がディスプレイされ、呉服屋としてのイメージが根強い「とおや百貨店」。ところが、中に足を一歩踏み入れると着物はもちろん、婦人服や便利な日用雑貨、ファンシーなキャラクターグッズまで、バラエティ豊かな商品が所狭しと陳列されています。小学生の我が娘は、この山積みになった商品からお気に入りを探すのが大好き!私はその傍らで、お買い得品やちょっと珍しい便利グッズなどをガサゴソ(笑)。着物のレンタルや購入の相談はもちろん、ぜひ日用品や子どもへのプレゼント購入などの機会にも利用してほしいお店です。

子供用の着物のすぐ隣にキャラクターグッズがどっさり!(筆者撮影)

北田のまちにサーカスがやってきた!?「とおや百貨店」の目の前を象が闊歩♪

早速、お話を伺おうと2階へ伺うと、代表取締役社長の遠矢達一さんとお母様の和子さんが「待ってました!」と言わんばかりに、机の上に写真をズラリと並べて迎えてくださいました。


モノクロのものからカラー写真まで様々ですが、その中でもひときわ目を引くのが、まちなかを象が闊歩する写真。「記憶が定かじゃないんだけど、たしか北田の城山公園のあたりにサーカスがやってきたんじゃなかったかな。昭和32年頃の写真だよね」とお二人。象に跨る勉さん(達一さんの伯父)の笑顔や、沿道のギャラリーの表情から今にも賑やかな歓声が聞こえてきそうです。

背景のテントには「遠矢百貨店」の文字が。(写真提供:とおや百貨店)

電車や船、動物をモチーフにした山車(だし)がズラリ。商店街がエレクトリカルパレードのような賑わい

小さな写真がいくつも貼り合わされたラミネート。よく見ると、電車や船、動物をモチーフにした山車(だし)です。「60年くらい前の写真じゃないかな。夏祭りか“鹿屋大店会”っていうイベントのときのもので、通りの店や地域ごとに派手な山車で練り歩いていたんだね」。エレクトリカルパレードを彷彿とさせる楽しい写真です。ここ数年はコロナ禍で夏祭りも中止の連続。今年こそは夏祭りの総踊りが実施されるといいですね。

商店街の各店が総力を決して作り上げたユニークな山車の数々(写真提供:とおや百貨店)

5階建てのビルに立て直し新装オープン。屋上には観覧車を備えた遊園地も登場

大正11年に食品と荒物(鍋やザルなど)の店として平屋建てで創業、時代のニーズに応える形で服地や呉服の取り扱いが増え、昭和24年頃2階建てに。そして昭和42年、時代は高度成長期。鹿屋のまちなかにもビルが立ち並び始め「とおや百貨店」も5階建てにリニューアル。残念ながら今回は遊園地の写真にありつけませんでしたが、当時は屋上観覧車もあったのだそう。新装オープンを記念して撮影された当時の代表取締役・清さん(達一さんの祖父)のキリッとした表情が印象的です。

昭和42年新装オープン当初の写真。何気ない家族写真もこうしてラミネートして大切に保管されています(写真提供:とおや百貨店)

後日、達一さんから提供いただいた写真。屋上に観覧車がチラリ。レトロでかわいいゴンドラ。一度は乗ってみたかったです。(写真提供:とおや百貨店)

小さな積み重ねが次の100年をつくる「とおや百貨店」の明るい未来

たくさんの写真を前に尽きることのない四方山話。昭和50年代には、大隅に5店舗のスーパーマーケットを展開するなど勢いがあった様子も写真とともに伺うことができました。現在は、着物・服飾品・生活雑貨・学生服、そして介護用品など多岐に渡る品揃えで営業していますが、これからの100年の未来予想図を伺ったところ「これからも地域の方々に必要とされるお店であり続けるように、柔軟でありたいね。100年も小さな一歩の積み重ねだから、街の人達と一緒に明るい未来を作っていきたいな」と達一さん。趣味の古布小物づくりに熱中している和子さんは「私にとっては、同じ趣味の人や地域の子どもたちと触れ合える大事な場所。いつまでも人が笑顔で集う場所だといいね」とニッコリ。

「とおや百貨店」4代目の遠矢達一さん(左)と母・和子さん(右)。和子さん力作の古布小物のコーナーにて。(筆者撮影)

昭和42年とおやビル開業記念時の2代目・清さん(左)と達一さん(右)。アーケードがあるので全く同じとはいかなかったけれど、当時に想いを馳せて同じアングルで記念撮影。(筆者撮影)