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「焼き芋は飲み物」最先端のサツマイモショップあらわる!

地元に根差した食材として知られるサツマイモ。郷土料理にも数多く登場し、鹿屋市民は日常的に食べる食材といえるでしょう。

芋好きの私が選ぶ!おすすめ芋スポット「ベジショップトッキー」では「焼き芋は飲み物」という、お芋の概念を覆すような取り入れ方を提案する農家がいます。スムージーにして朝食やドライブ中などどんなシーンでも味わえるとのこと。いまや、定番食材はより手軽にお洒落に!食べるだけではないワンランク上の楽しみ方が広まりつつあるのです。

畑の真ん中に鹿屋野菜の交流拠点

360度見渡すかぎり畑が広がる鹿屋市下祓川町。まわりの風景に馴染むように手作りの小屋が建っています。「焼き芋とスムージーのお店ベジショップトッキー」です。農家「ときみ青果」の敷地内にあり、規格外の野菜を使ったオリジナルの加工品販売所になっています。2022年3月にオープンして以来、マルシェやイベントなどにも出店してきました。店主の安楽宮子さんによりアイデアの数だけで新商品が生まれています。

焼き芋とスムージーのお店ベジショップトッキー 店主・安楽宮子さん(筆者撮影)

きっかけは「もったいない」廃棄野菜を目の当たりにして

仕入れている野菜は、主に「ときみ青果」のもの。宮子さんの母・櫨山時美さんが経営している農業法人です。10年ほど前に開業して以来、鹿屋市の温暖な気候と南国の太陽の日差し、豊富な雨を活かし、ジューシーで栄養たっぷりの野菜を栽培してきました。娘の宮子さんも一度はときみ青果に就職したが、何トンと廃棄される野菜を目の当たりにし、「もったいないからスムージー屋さんをしよう」と3カ月で退職。母・時美さんの「何でもやってみなさい!」という言葉にも背中を押され、ベジショップトッキーを開業しました。

ときみ青果の隣に建つ手作りの店舗(筆者撮影)

 

「持続可能なスムージー」誕生

規格外のサツマイモを活用し生まれたのが、ベジショップトッキーの人気商品「焼き芋スムージー」。安楽さんは「自分にできることをコツコツと続けていきたい」と話します。今では近所の農家からもブルーベリー、かぼちゃ、パパイヤなどの規格外野菜が届くようになりました。人参などと組み合わせて活用することで廃棄物を減らし、持続可能なSDGsにもつながっているのだといいます。

サツマイモの貯蔵庫。手作業で仕分けていく(筆者撮影)

大きさや見た目で規格外となったサツマイモ(筆者撮影)

 

スムージーキットで手軽にサツマイモ補給

コロナ禍で外出ができなかった2020年、お客さんからは栄養面を気にする声が寄せられました。安楽さんは、手軽に栄養補給ができるスムージーを家庭に届けたいと考え、素材の甘みを活かした「スムージーキット」を考案。サツマイモは焼いてパックに詰め、冷凍。家では豆乳やお塩と一緒にミキサーに入れるだけで簡単にスムージーがつくれます。疲労回復や肌荒れ予防が期待できるビタミンCや、食物繊維も豊富に含まれるというサツマイモを、朝食やドライブ中でも味わうことが可能となりました。

スムージーキット。箱に5種類のキットが入っている(筆者撮影)

返礼品で全国の食卓へ

このスムージーキットは今年2月、ふるさと納税返礼品としての取り扱いがはじまりました。「鹿屋の野菜を食べて元気になってほしい」と話す安楽さん。今後は、鹿屋市だけではなく大隅の農家と連携し、各地で特産品をいかしたスムージーをつくるのが夢だといいます。一世を風靡したタピオカドリンクのように、当たり前に「焼き芋を飲む」日が来ることを予感させました。

※ベジショップトッキーは2023年6月5日に移転されました。

移転後住所:鹿屋市札元1丁目3832番

 

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この記事を書いた人とりちゃん このライターの記事を読む

元静岡第一テレビアナウンサー。5年間で600食以上の食リポを経験。現在、かのやPRレポーター(地域おこし協力隊)として活動中。YouTube「かないも日和」などでお芋情報を中心に市の魅力を発信しています。